天草広域連合新ごみ処理施設建設計画について
天草広域連合では、天草管内5つのごみ処理施設を1か所に集約し、有明町須子地区、赤崎地区にまたがる山間部を、最も有力な新ごみ処理施設の建設候補地として、地元関係者のご理解をいただき、平成25年度から環境に関する調査や地形測量、および地質調査などを進めて参りました。
しかしながら、今回、建設候補地として進めてきた場所において、新たなごみ処理施設を建設するうえで、重大な事案が判明いたしましたので、「有明地区での新ごみ処理施設建設を断念する」との判断に至りましたことをご報告させていただきます。
施設の建設を予定している場所から、砕けた岩に粘土が混じった地盤の存在が明らかになり、過去に大きな地滑りが発生したと推測できる、軟弱な地盤がボーリング調査で判明しました。
おりしも、熊本県内を中心に大規模な地震が発生したばかりで、天草におきましても、再度、大地震の発生が懸念されます。このような中にあって、このまま当該地に施設を造るとなれば、膨大な地滑り対策や地盤改良等の経費が必要となります。
また、工事を施工しても、将来的な地滑りの不安が払しょくされるわけではなく、仮に地震が発生し、施設が大きな影響を受けた場合、施設の稼働はおろか、搬入道路の崩壊により、ごみの搬入ができなくなるという事態も想定されます。
さらには、大規模な災害による、海側の建物及び海への土砂流出も懸念されるところでございます。
施設整備費用に加えて、敷地造成費用や前述の地滑り、地盤改良に対する費用が膨大な額となり、2市1町の財政がひっ迫している中、天草の住民皆さまに多額の負担金をお願いすることとなり、広域連合での環境衛生事務の存続そのものに、大きな影響を及ぼすことになりかねません。
地元有明地区をはじめ、関係者の皆さまの多大なるご支援をいただきながら、これまで建設に向けての準備を進めてまいりました。
しかしながら、用地を取得する前でもあり、苦渋の決断ではありますが、有明地区でのごみ処理施設建設計画を断念せざるを得ないとの結論に至ったものでございます。
これまでご協力いただきました、関係者の皆さまに感謝いたしますとともに、今後も引き続き、新たなごみ処理施設建設に対するご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。
平成28年5月
天草広域連合長 中村 五木
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