○天草広域連合情報公開条例
平成17年3月10日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 行政文書の開示(第5条―第16条)
第3章 審査請求等(第17条―第19条)
第4章 雑則(第20条―第23条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、情報公開の理念の実現を図るために、天草広域連合(以下「広域連合」という。)の管理する行政文書の開示を求める権利を明らかにするとともに、情報の公開に関して必要な事項を定めるものとする。
(1) 実施機関とは、広域連合長、選挙管理委員会、監査委員及び議会をいう。
(2) 行政文書とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フイルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものをいう。ただし、一般に容易に入手することができるもの又は一般に利用することができる施設において閲覧に供されているものを除く。
(3) 行政文書の開示とは、実施機関がこの条例の定めにより、行政文書を閲覧や視聴のために提供し、又は行政文書の写しを交付することをいう。
(実施機関の責務)
第3条 実施機関は、行政文書の開示を請求する権利が十分尊重されるようにこの条例の運用を図るとともに、個人の尊厳を守るため、個人に関する情報の保護について最大限の配慮をしなければならない。
2 実施機関は、行政文書の適正な管理を図るとともに、開示手続その他この制度に基づく事務の適切かつ円滑な遂行に努めなければならない。
第2章 行政文書の開示
(請求権者)
第5条 何人も、この条例の定めにより、実施機関に対して行政文書の開示を請求(以下「開示請求」という。)することができる。
(開示請求の方法)
第6条 前条の規定による行政文書の開示請求をしようとするものは、次に掲げる事項を記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出しなければならない。
(1) 開示請求をするものの氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに法人その他の団体にあっては、代表者の氏名
(2) 行政文書の件名及び内容その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関の定める事項
2 実施機関は、開示請求をしようとするものに対し、当該開示請求に係る行政文書の特定に必要な情報を提供するように努めなければならない。
3 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、当該補正に必要な情報を提供するよう努めなければならない。
(実施機関の開示義務)
第7条 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。
(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の規定に基づき、開示することができない情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお個人の権利利益を侵害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により、又は慣行として開示され、又は開示することが予定されている情報
イ 人の生命、身体、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報
ウ その個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員の職及び当該職務の遂行の内容に係る部分
エ 個人の権利利益を不当に害するおそれがなく、開示することが公益上必要であると認められる情報
オ その個人が開示することに同意している情報
(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって次に掲げるもの。ただし、人の生命、身体、財産又は生活に対し、危害を及ぼすおそれのある事業活動及び違法又は著しく不当な事業活動に関する情報を除く。
ア 開示することにより、その法人等又は事業を営む個人に不利益を与えると認められるもの
イ 実施機関からの求めに応じ、開示しないという条件のもとに、任意に提出されたもので、法人等又は事業を営む個人において通常開示しないとされているものその他の条件を付すことがその情報の性質や当時の状況からみて合理的であると認められるもの
(4) 開示することにより、人の生命、身体又は財産などの保護、犯罪の予防又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報
(5) 実施機関並びに国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議についての情報で、開示することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
(6) 実施機関又は国等の機関が行う監督、検査、取締り、許可、認可、試験、研究、交渉、争訟等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、当該事務又は事業の性質上、適正な執行に支障を及ぼすおそれのあるもの
(行政文書の部分開示)
第8条 実施機関は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、当該不開示情報の部分を容易に区分して除くことができるときは、当該不開示情報の部分を除いて開示しなければならない。ただし、不開示情報の部分を除いた結果、その行政文書に意味のある情報がなくなったと認められるときは、その行政文書は、開示しないものとする。
(公益上の理由による開示)
第9条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に不開示情報(第7条第1号に規定するものを除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができる。
(行政文書の存否に関する情報)
第10条 実施機関は、開示請求者に対して、開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
(開示の決定及び通知)
第11条 実施機関は、開示請求された行政文書の全部又は一部を開示するときは、開示する旨の決定(以下「開示決定」という。)をし、速やかに、開示請求者に対し、その旨並びに開示の実施に関し必要な事項を書面で通知しなければならない。
2 実施機関は、開示請求された行政文書の全部を開示しないとき(前条に規定する開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、開示しない旨の決定をし、速やかに、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
(1) 当該通知に係る決定の理由
(2) 当該通知に係る行政文書に記録されている情報が第7条各号に掲げる情報に該当しなくなる期日をあらかじめ明示することができる場合にあっては、その期日
2 実施機関は、やむを得ない理由により、前項に定める期限(以下「決定期限」という。)までに開示等の決定を行うことができないときは、その期間を45日を限度として延長することができる。この場合において、実施機関は、速やかに、開示請求者に対し、延長後の期限及び延長の理由を書面により通知しなければならない。
(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)
第13条 開示請求に係る行政文書に国等及び開示請求者以外のもの(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において、実施機関は、開示等の決定をするに当たって、あらかじめ当該情報に係る第三者に対し、開示請求に係る行政文書の表示その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示等の決定に先立ち、当該第三者に対し、開示請求に係る行政文書の表示その他規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を第9条の規定により開示しようとするとき。
(1) 行政文書を速やかに開示しなければならない公益上の必要があるとき。
(2) 反対意見書を提出した第三者が不利益とならないことが明らかであるとき。
4 前項の場合において、実施機関は、開示決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、開示決定をしたこと及びその理由並びに開示を実施する日時及び場所を書面により通知しなければならない。
(開示の方法)
第14条 実施機関は、開示決定をしたときは、前条第3項に規定する場合を除き、開示請求者に対し、速やかに、当該開示請求に係る行政文書を開示しなければならない。
2 行政文書の開示は、実施機関が指定する日時及び場所において行うものとする。
3 行政文書の開示は、文書、図画、写真又はフイルムについては閲覧、視聴又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して実施機関が定める方法により行う。
4 実施機関は、前項の規定による閲覧又は視聴の方法により行政文書を開示する場合において、その行政文書に開示しない部分があるとき、行政文書の保存に支障があると認めるときその他正当な理由があるときは、その行政文書の写しの交付により開示することができる。
(費用負担)
第15条 この条例の規定による行政文書の開示に要する手数料は、無料とする。ただし、開示請求者は、行政文書の写しの交付又は送付を求めたときは、当該行政文書の写しの作成及び交付に要する費用を負担しなければならない。
(他の法令等との調整)
第16条 他の法令等に、行政文書の閲覧、縦覧、視聴又は行政文書の写し若しくは謄本、抄本の交付の定めがあるときは、その定めによるものとする。
第3章 審査請求等
(平28条例1・改称)
(救済手続)
第17条 実施機関がした公開等の決定又は実施機関に対する公開請求に係る不作為について不服がある者は、当該実施機関に対し、審査請求をすることができる。
2 公開等の決定又は公開請求に係る不作為に関する審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項本文の規定は、適用しない。
3 公開等の決定又は公開請求に係る不作為に関する審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、天草広域連合附属機関設置条例(平成23年条例第1号)第2条の規定に基づく天草広域連合行政不服審査会(以下「審査会」という。)に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下する場合
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る情報の全部を開示することとする場合(当該情報の公開について反対意見書が提出されている場合を除く。)
4 前項に規定する審査請求については、行政不服審査法第9条、第17条及び第43条の規定は、適用しない。
5 第3項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
6 第3項の処分に係る実施機関は、審査会に対し、速やかに諮問するよう努めなければならない。
(平28条例1・全改)
(諮問した場合の通知)
第18条 前条第3項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」という。)は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)
(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る情報の公開について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(平28条例1・全改)
(1) 公開決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る公開決定等を変更し、当該公開決定等に係る情報を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該情報の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)
(平28条例1・全改)
第4章 雑則
(情報の共有の推進)
第20条 実施機関は、広域連合の諸活動に関する情報が適時に、かつ、適切な方法で、わかりやすく住民に明らかにされるよう、情報提供に努めなければならない。
(平28条例1・旧第27条繰上・一部改正)
(検索資料の作成)
第21条 実施機関は、行政文書の検索に必要な資料を作成するものとする。
(平28条例1・旧第28条繰上)
(運用状況の公表)
第22条 広域連合長は、毎年度1回、行政文書の開示の実施状況について公表するものとする。
(平28条例1・旧第29条繰上)
(平28条例1・旧第30条繰上)
附則
この条例は、平成17年4月1日から施行し、同日以後に作成し、取得した行政文書について適用する。
附則(平成23年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附則(平成28年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。