高規格救急自動車は救急隊が搭乗し、応急処置のための資機材や、救急救命士が救命処置で使用する、除細動器、輸液セットおよび気道確保用資機材等が装備され、傷病者を医療機関へ搬送するまでの間、救命処置を行える車両です。応急処置や救命処置のための最新資機材を積載しており、これらの資機材を有効に活用して、傷病者の命を守りながら迅速に病院へ搬送します。
救助工作車は、火災、地震、交通事故などの災害現場において、速やかに救助活動が行えるよう、ウインチやクレーン、照明装置などを装備し、また、エンジンカッターや、油圧式救助器具などの救助資機材も積載しており、現場においていち早く人命救助活動を行う車両です。現在では画像探査機、熱画像直視装置、地中音響探知機などの高度救助資機材も活用して、複雑多様化する災害に対し救助活動を行っています。
指揮車は、各種災害等が発生した際に、出動する消防隊・救急隊・救助隊等の各隊の活動を統制する「指揮隊」が搭乗して出動する車両です。大規模な災害や多くの傷病者が発生した事故などにおいて、災害の概要を把握し戦略をたてるための現場指揮本部を設置するための資機材や、他の協力機関との連絡や情報共有するための資機材を備えています。
資機材搬送車は、各種災害に対し、空気ボンベや消火剤等の大量の消防資機材を搬送することを目的とした車両です。クレーンを装備しており、重量のある資機材や海難事故等で活躍するボート等も積載することができます。災害等でよりスムーズな消防活動をできるように後方支援を行う車両です。
水槽車は、水利状況が悪い地域において発生した火災をはじめとする各種の災害現場などで、水源となって活躍する車両です。水槽内に10トンの水を搭載しているほか、車体後部には小型動力ポンプを搭載しており、送水・吸水ができるようになっています。また、災害が発生し生活用水が不足するような状況になった時には、水槽の水を生活用水として給水することが出来ます。
消防はしご自動車は、装備する梯子を地上35メートル地点まで伸ばすことができる車両です。主に高層建築物の火災時などで建物内に取り残された人を救出したり、高所から放水活動等を行うことができる車両です。本車両には、様々な最新の機能が搭載され、様々な場面での活動が可能で、梯子先端に取り付けてあるバスケットの搭乗人員が4名に増員されたことや、バスケットとリフタ―(梯子昇降機装置)の同時使用ができ、より迅速な救助活動が実施できます。さらに、梯子の伸縮に連動する送水管と、リモコン操作が可能な電動放水銃が搭載されていることで、隊員が搭乗することなく梯上(高所)からの自由な放水を行うことができ、幅広い状況下での消防活動が期待できます。
拠点機能形成車は、大規模災害発生時に災害現場の最前線での部隊活動を支える機能を形成するため、長期の消防応援活動を支援する資機材を積載した特殊車両として、総務省消防庁から配備されました。
災害が複雑、多様化、大規模化する中、緊急消防援助隊としての被災地への出動を始め、大規模災害や多数傷病者が発生した場合の災害にも活用することで、災害対応力の更なる強化を図ります。
小型救助車は、近年増加傾向にある地震災害や土砂災害などの突発災害で、交通網が麻痺し、一般的な消防車では現場への進入が困難となった場合でも、登坂能力・走破性に優れた高いオフロード能力を備えており、災害現場へ自走で進入が可能な消防車です。
車両底部の接触や障害物への乗り上げに陥りにくい車体設計となっており、約30°の登坂や、水深約40cmまでのオフロード走行が可能で、最高速度は約72km/hの走行性能を有するほか、タイヤを付属のクローラー(キャタピラー)に取り換えることで降雪時や砂浜での救助にも対応ができます。
輸送車(支援車Ⅲ型)はマイクロバスをベースにした車両で、災害現場への消防隊員の輸送や、多数の傷病者が発生した現場などにおいて、多くの人を病院へ搬送するなど、災害の種類に応じて使用する車両です。
また、日本各地で発生する大規模な災害に緊急消防援助隊としても出動します。
消防救急艇は、御所浦分署に常駐しており、火災発生時には装備している放水銃を使用しての消火活動が可能であり、救急業務が発生した際には装備する高度救急資機材を活用して傷病者に応急処置を行いながら搬送することが可能な船となっています。また海上で発生した災害等にも対応します。
代表的な車両の紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。
車両については、皆さんが居住されている近隣の署所に配備されています。興味があられる方は、近隣の署所にお越しになっていただき、職員に一声かけられて見学してみてください。